日本が誇る伝統と挑戦の革新企業

取材趣旨:企業インタビュー

ペーパーハウス社は、物流のかなめである木材パレットを扱う総合商社である。 「産業の活性指数はパレットの動きにあり」と言われているように、その産業や物流の動きと密接な関係にある パレット。同社ではDEPO(デポ)と呼ばれる、パレットを保管・管理する倉庫を、日本で最もオートマティックな仕組みを構築して運営し、洗浄・選別・保管サービスをワンストップで提供している。 ここ数年で業績を驚くべき勢いで伸ばしている同社を牽引するのは、朝倉社長だ。ここから先の未来をしっかりと見据えながら、次々と新しいサービスや取組みにチャレンジする、パワーとチャレンジ精神に溢れた朝倉社長が今目指しているのは、"7福神"という大きな事業ビジョンだ。 今回は、朝倉社長から、ペーパーハウス社が今まで培ってきた伝統と、これからつくっていく新たなビジョンについて、存分に伺った。

  • 株式会社ペーパーハウス社

    代表取締役社長朝倉 啓介

    深い想像力を持ち、洞察力を高め、歩み進む。

    より効率よく、“それら”を行うために物流機器が活躍します。 「日本の物流は先進的欧米諸国に比べて10年遅れている」とよく言われていますが、10年経っても相変わらず10年遅れています。デジタル化、ロボット、ブロックチェーン、プラットフォーマ、IT、AI、IoT・・・。 何を駆使すれば10年を圧縮できるのか。 弊社は常に考え行動し、未来の私たちが何をしているのかを想像しながら、前のめりに進んでいる会社です。 私たちの第一歩は“パレット”から始まっています。未来の物流業界では、物流機器は更なる進化を遂げていきます。私たちはその世界で機器を大切に扱い、汚れを落として悪くなったところを直します。そして保管し、運ぶのです。 本当にダメになってしまったものは、別のものに生まれ変わらせ、生まれ変わらないものでも環境に貢献します。私たちは、そのすべてのことに好奇心を持ち、努力を惜しみません。なぜならば、日本の物流の未来をとても期待しているからです。

目次

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

社風

自分らしく働き、活躍できる環境

一人ひとりが、自分らしく働き、活躍できる環境。 それがペーパーハウス社の社風であり、大きな魅力の1つだ。 同社には、実に個性豊かな人が数多く働いている。会議やお酒の場など、みんなで集まると、それぞれがわいわい盛り上がり、個性をみんなで認め合っている、そんな社風だ。 また、年齢とは関係なく、本人のやる気や適性次第でどんどんチャンスを与えるということも、同社の特徴である。「社員代表として取材を受けている戸塚が良い例だと思います。とにかく、何でもやらせてあげたいんですよね」そう語る朝倉社長は、人材の成長こそ、これからのペーパーハウス社の成長の原動力になると信じている。 急速に発展している今だからこそ、これから事業や会社の核となって活躍できる人材を育てていく必要がある。そのためには、例え上手くいかないことがあったとしても、まずは成長のチャンスを与えることが重要だと考えている。この個性を発揮できる社風、そしてチャンスを貰える環境を生かすことができれば、イキイキと働きながら活躍できるに違いない。

独自性

先進のテクノロジーを活用した革新の物流サービス

通常、DEPOと言うと、単にパレットをお客様である企業からお預かりして保管し、要望があればそれを返却するに留まる、単純な倉庫業だ。この場合、汚れてしまったパレットを綺麗にしたり、破損したパレットがないかどうかのチェックをしたりする作業をお客様自身で負担しなければならない。 しかし、ペーパーハウス社が運営するのは、洗浄・選別・保管のワンストップサービスを提供することができる最新型のDEPOだ。お客様は同社にパレットを預けるだけで、必要な時に完璧な状態のパレットがいつでも利用できるという大きなメリットがある。 これを可能にするのは、洗浄から脱水、乾燥などの最新の設備による最新のラインが構築されていることだ。 また、上記に加えて、新たにパレット製造分野でロボットを使った日本初の製造ライン「N1パレット製造ライン」を構築。千葉県の経営革新事業として認定された。 先進のテクノロジーによって物流業界に新たな価値を次々に提供するペーパーハウス社は、これからもさらに発展を続けるに違いない。

展望

"7福神" 7つの事業をつくるという事業ビジョン

「7つの事業をつくりたいと考えているんですよ。それを私は"7福神"と呼んでいます」 物流のかなめである木材パレットを主軸に事業を展開している同社。 いたずらに、あれもこれも手を出すつもりは毛頭ない。このパレットという軸はぶらさずに、関連多角化を図る。例えば、壊れて破棄になった木材パレットの木材は、現在は廃棄物として扱われている。しかし、この資材を必要としている企業はたくさんある。 破棄になったパレットをゴミとして処理するのではなく、必要としている企業に卸すことができれば、大きな利益を生み出すことができる。実際にこちらも事業化に向けて、膨大な破棄パレットを貯蔵しており、事業として走り出すまで、そうはかからないだろう。その他にも、すでに事業の構想は多数あり、数年後には工業団地へ大きな設備投資を行い勝負をかける計画になっている。 7つの事業をつくるという、大きな事業ビジョン。 その実現に向けて、今、ペーパーハウス社は大きく飛躍しようとしている。

社長に伺った、会社の歴史と未来

パレット事業を始めるに至った経緯を教えてください

元々は、紙を扱う特殊紙加工販売会社としてスタートしたのですが、IT化による出版業界の衰退や業界再編の流れの中で、紙を扱う事業から撤退することを決めました。では次に何をするかということを考えた時に、紙というのは木で出来ているので、"木"をキーワードに何かできないかと考えたんです。 その中で、日本には約1,500万枚の木材パレットが存在しており、そのうちの約1割の150万枚は1年で破損してしまうということを知りました。1年でそれだけの需要があるのであれば、きっと当社としても何かできることがあるだろうと考えて、色々と取り組み始めたのが、パレット事業を始めることになるきっかけでしたね。

パレット事業が形になるまでの挑戦について教えてください

パレットの破損の9割が、実は端のエッジボードと呼ばれる部分が壊れてしまうことによるものなんですね。 であれば、そのエッジボードの強度を通常の5倍から10倍に引き上げたパレットをつくれば売れるんじゃないかと考えて、試行錯誤し、なんとか開発に成功して業界にご提案しました。ところが、これを1枚つくるコストが結構なもので、とても高価なものになってしまい、「その分耐久性があるから持ちますよ」という売り文句もなかなか受け入れてもらえなかったという経験があります。しかし、この経験があったからこそ、パレットをお預かりして洗浄・選別・保管するワンストップサービスができるDEPOをやろうという発想を出すことができました。

これからの貴社の成長のために必要なことは何ですか

ここ数年で売上も従業員数も右肩上がりで急成長してきて、これから新しい事業やサービスもどんどんやっていこうという状況ですので、それを実現できる社内体制をしっかり整備するということは1つ重要なポイントになると思います。また、新しい事業やサービスをつくったとしても、それを常にブラッシュアップし続けなければ、あっという間に市場についていけなくなり、収益性の悪い事業になってしまいますので、つくった事業やサービスの向上ということも、同時にやっていかなければなりません。今のスピードを落とさずに、ただ、足元を疎かにせずに、両立する形で会社を成長させていく必要があるなと考えています。

  • 業界初の自動打込み機械

  • 最新鋭のパレット洗浄機

  • 中古パレットの買収・販売にも対応

会社の1/3を担う司令塔として

株式会社ペーパーハウス社 デポ事業部 袖ヶ浦デポ所長 戸塚一希

袖ヶ浦DEPOは、ペーパーハウス社が運営する3つのDEPOのうちの1つであり、日本初のロボットによるパレット製造ライン”N1パレット製造ライン”を備えるなど、業界の最前線を走る重要拠点である。その一切をコントロールする司令塔として活躍するのが、ペーパーハウス社の期待のホープ、戸塚さんだ。袖ヶ浦DEPOの業務運営から予算管理まで行う戸塚さんは、まさに、ペーパーハウス社の1/3を担っていると言っても過言ではない。落ち着いた語り口調で取材に応じる戸塚さんだが、「ステップアップして、がむしゃらにやってきただけですね」と熱い想いを端々で語る。ひたすらに奔走し、会社の未来を切り開く戸塚さんに、ペーパーハウス社とご自身のお仕事について伺った。

伝統の承継と挑戦の未来を担う社員の思い

入社理由

新しいスタートラインへ 挑戦心が生きる会社

「全く違う分野で、新しいスタートラインに立ちたいと思ったんです」 戸塚さんは、ペーパーハウス社と出会った時の心境を、そう語る。 元々は美容師として活躍していた戸塚さん。恰好良いからという憧れで入った業界だったが、待っていたのは、厳しい競争と劣悪な労働環境。体がとてもついていかず、その道を断念せざるを得なかった。しかし、そこで下を向かず、今度は全く新しい分野で自分の未知なる可能性に挑戦したいと考えた。その挑戦心を燃やしていた戸塚さんを受け入れ、年齢に関係なく、そのやる気を評価し「やってみないか」と次々にチャンスをくれたのが同社だ。現場のイチ作業員からスタートした戸塚さんだったが、同社の重要拠点の1つ、袖ヶ浦DEPOの一切を取り仕切る責任者まで、5年もかからずに上り詰めた。業界の最前線を走る袖ヶ浦DEPOでは、新しい取組みが次々と実践されている。 まさに、毎日が新しいチャレンジ。 「やりたいことが、たくさんあるんですよ」そう語る戸塚さんの嬉しそうな表情が、その充実ぶりを語っていた。

やりがい

会社の1/3を担う司令塔 大きな責任とやりがい

袖ヶ浦DEPOの司令塔、それが戸塚さんの役割だ。 DEPO運営の一切を任されている戸塚さんの仕事領域は、DEPO運営の工程やスケジューリング、人員や予算の管理、本社との打合せなどなど、実に幅広く、そのどれもが、戸塚さんの采配1つで全く異なる結果を生み出すこととなる。 例えば、作業工程をどこか1つ前後させるなど一工夫するだけで、袖ヶ浦DEPO内の全作業員の動きがガラっと変わり、業務効率が飛躍的に向上するということが多々ある。戸塚さんの仕事は、どうすれば袖ヶ浦DEPOの生産性が向上するのか、しっかり現場をコントロールしながら、常に考え創意工夫し続ける、まさに司令塔の仕事なのだ。 「自分の仕事が、会社の業績に直結するわけですから、それは苦しくもあり、でも楽しくもあります」3つある会社の拠点のうち、1つの一切を任されているというプレッシャーは確かにある。だが、戸塚さんはそのことすら、自身のやりがいとなっていると語るのだ。

自身の成長が会社の成長 加速して成長する同社の中で

まだまだ、会社も戸塚さんも成長過程。 だからこそ、これからどのような未来でもつくっていけるという、無限の可能性があるということだ。戸塚さんが入社した当時、同社のDEPOはサービスを始めて日が浅く、ルールも整っていないという、まだまだ未完成の状態だった。そんな状態だからこそ、自分が仕事を覚えて成長し結果を出せば、それがDEPOや会社の成長に直結した。 そして今、同社は新たな事業にも次々と着手し、大きな飛躍を遂げようとしている。その中で、戸塚さんは依然と変わらず、自身が成長することで会社の成長を後押ししたいと考えている。 「ホープって希望ってことですよね。希望は現実にしないと意味がないですから」 自身がホープとして期待されていることも、しっかりと分かっている。まずは、今の袖ヶ浦DEPOでさらなる実績を積み重ね、将来的には複数のDEPOをマネジメントするポジションに就きたいと語る戸塚さん。戸塚さんが描く自身のビジョンを実現した時、ペーパーハウス社の成長はさらに加速するに違いない。

  • 最大の売上を誇る袖ケ浦デポ

  • しっかりと整理されたデポ

  • 熟練の技術者が仕事に打ち込む

戸塚さんにお伺いするご自身のこと、会社のこと

戸塚さんが働く上で大切にされている考え方は何ですか

結果を出すために、頭をフル回転させて、どんどん創意工夫をしてみることですね。 前職で、美容師として働いていた時も、ただ単に髪を切るということ以外に、例えばお客様とどんな会話をすれば、もっと喜んでいただけるのだろうと会話の研究をしてみたりと、色々なことを工夫していました。 逆に、1つのことをただ黙々とやっていても、仕事もつまらなくなりますし、成果も出せないと思います。 常に考えて創意工夫することは、今の仕事でもとても大切なことで、美容師としてそのように働いていた経験が生きているかなと思います。やはり、自分の考え1つ、工夫1つでDEPOの業績が大きく変わりますので。

これから袖ケ浦DEPOをもっと盛り上げるためにはどんなことが必要ですか

まずは仕事の幅をもっともっと広げていくということですね。 今対応できるサービス以外に、色々なことを次へ次へと試していけたらと思っています。 そのためには、会社に対してもお客様に対しても、「こんなことをやりたいんですけど、どうですか」という提案を、もっと説得力持ってできるようになる必要がありますね。 もう1つは、DEPOのみんなで同じ方向を向いて走れるようにするということです。 袖ケ浦DEPOは去年で人数が倍になりましたから、一人ひとりがしっかりと取り組んでいく必要もありますし、 みんなで協力しながら仕事を進めていかないといけないと思います。

どのような人と一緒に働きたいと思いますか

やっぱり伸びる可能性というか、伸びしろを見てとれる人ですかね。 「こういうふうになりたい」という向上心を持っていることもそうですし、「こういうことをやりたいんです」と提案する意思を持っている人とか。目の前の自分だけの仕事だけじゃなくて、もっと周りを広く見て「こんなことできるんじゃないかな」って思える人が来てくれれば、僕自身もどんどん会社に提案していきたいと考えていますし、とても嬉しいですね。ただ単に指示されているだけでは、楽しくないし、成長もしないですから、一緒に働いていて、一緒に成長し合える方と是非働きたいですね。

担当者からのコメント

  • 監修企業 担当者

    新しい事業やサービスをこれからも次々とつくっていくという勢い・パワーを お話の端々から感じ取ることができました。 30年以上の歴史を持ちながら、ベンチャー企業のような活気があり、 これからまさに飛躍していく企業様であると感じました。 これからの発展をとても楽しみにしております。

掲載企業からのコメント

  • 株式会社ペーパーハウス社 からのコメント

    これから事業を拡大していくにあたり、 より多くの方に当社を知っていただきたいと思っております。 今回の取材がその良いきっかけとなれば幸いでございます。 今後も大きな飛躍ができるよう、挑戦を続けていきたいと考えております。 是非、よろしくお願い致します。

企業情報

  • 創業年(設立年)

    1983年

  • 事業内容

    プラスチック及び木材による物流資材の製造及び販売並びにレンタル業 レンタルパレットの総合デポ業

  • 所在地

    東京都港区赤坂2-11-13 COMMON赤坂4F

  • 資本金

    4,000万円

  • 従業員数

    60名

  • 会社URL

    https://paperhousesha.co.jp/

沿革

  • 1983年~2009年

    1983年
    資本金300万円で東京都千代田区に株式会社大商の関連会社として発足。

    1996年
    東京都世田谷区に本社屋を建設し移転。資本金1,000万円に増資。

    2001年
    東京都港区赤坂に本社ビルを建設し移転。

    2003年
    創立20周年を迎える。株式会社栄商を吸収合併し、資本金2,000万円に増資。

    2005年
    間伐材を利用した「特殊貼り合わせ強化ボード」の実用新案登録(No.K050718)。

    2008年
    紙、木材、プラスティックスなどを利用した物流資材の製造及び販売会社として定款を変更。
    中古パレットを取り扱うための古物商許可証を取得(第301120827077号)。

    2009年
    千葉県袖ケ浦市に「袖ヶ浦デポ・工場」を開設。パレット取扱量月間100,000枚以上。

  • 2011年~2015年

    2011年
    千葉県野田市に「野田デポ・工場」を開設。パレット取扱量月間70,000枚以上。

    2013年
    創立30周年を迎える。
    野田デポ・工場内に最新鋭「パレット洗浄機」を導入。1日の処理数2,000枚以上。

    2014年
    本社を移転。
    新住所:東京都港区赤坂2-11-13 COMMON赤坂4F。
    大阪府泉大津市に「泉大津デポ・工場」を開設。

    2015年
    袖ヶ浦デポに「木製パレット自動製造ライン」の新設・稼働。

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