日本が誇る伝統と挑戦の革新企業

取材趣旨:企業インタビュー

休日には多くの人で溢れかえる京都、大阪、兵庫の一等地。そんな場所で様々な人々の人生における第2のスタートに携わり、すべての関わる人に幸せを届けてきた会社がある。株式会社タガヤだ。貸衣装業から始まった同社は、ウェディング事業へと事業展開。しかし、新型コロナウイルスの影響でウェディング業界全体が低迷。今回お話をお伺いした神田代表は、このコロナを機にSDGsを軸にレストラン事業、お菓子事業と様々な分野へと新規事業展開を開始。「社会問題の解決に繋がるものをつくる」と熱い想いを語る神田代表。常にこの先何が必要となるのかを考え新たな取り組みを行っている神田代表に、貴社の社風、独自性、そして今後挑戦していきたいことについて詳しくお話を伺った。

  • 株式会社タガヤ

    代表取締役神田尚子

    当社は1974年婚礼貸衣装として京都に髙谷光正が創業し「感動と一流のサービス」をテーマに「顧客満足」「従業員満足」「社会貢献」を3本柱に据えて事業を展開して参りました。
    COOとして私、神田尚子は1998年に参入し2002年から自社のチャペル運営、事業の内製化に集中し拠点を大阪、神戸そして東京に展開して参りました。
    2012年にCEOとして事業承継し、現在は海外からのインバウンドウエディングや旅行事業、世界遺産のプロデュースを含め多様化に対応するグローバルなチームづくりに取組んでおります。
    2019年より食の安全をキーワードに無添加に近い洋菓子の開発をスタートさせました。また、NoHarm(ノハム)というオウンドメディアにて心と身体が綺麗で豊かになる、そして未来と地球にやさしくサステナブルな世界観と概念を発信しております。
    テクノロジーが変わる、経済システムが変わる、価値観が変わる時代において品質方針に従い今はまだ認知されていない、未来のあたりまえをつくることにチャレンジすることで関わるステークホルダーが共に成長し心も身体も綺麗に豊かに人間性を高めて参りたいと思います。

目次

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

社風

垣根のない会社をつくるために

インクルージョンで垣根のない会社。それこそがタガヤの社風である。様々な事業を行っている同社だからこそ、垣根があると別会社として認識が強くなってしまう。そのため、神田代表は垣根を無くし同じ理念の下で事業を展開することを心掛けている。それが社員にも浸透されているのだ。垣根を無くす具体的な取り組みとしては朝の出勤時に部署にある扉を全て開け、部署ごとに聖域をつくらせないことを目的とした取り組みを行っている。また、社員とのコミュニケーションの取り方にもこの意識が根付いており、社員の誕生日には神田代表自ら社員の担当している部署を回り、お祝いの言葉を伝えているのだ。そして、その行動は社内に留まらず、社員の冠婚葬祭にも出席するほど。「仕事は家族の理解があるからこそできる」という考えのもと、社員の家族に感謝を伝えることも徹底している。社内だけでなく、様々なところで垣根をつくらないことを意識している同社。そこには、神田代表の熱い想いが存在するのだ。

独自性

0から1をつくれる会社

「時代の先を読み、0から1を新しくつくることができる」神田代表はタガヤの強みをこう語る。同社の歴史は貸衣装から始まった。そこから結婚式場を自社で持ち、今ではお菓子事業やレストラン事業まで幅広く事業を展開している。この幅広い事業展開の核となっているのがSDGsの考え方だ。日本国内の結婚式場でどの企業よりも素早くSDGsを取り入れ、新たな取り組みを続けてきた。まさに、SDGsをいち早く取り入れた結婚式場のパイオニアと言っても過言ではない。また、レストラン事業でもSDGsの考えを取り入れている。運営するレストランの名は"Noeud.TOKYO(ヌー.トーキョウ)"。Noeudとはフランス語で"つながり"を意味する言葉で自然環境や生産者、人々の健康など食が取り巻く持続可能な環境のつながりを意味している。新たな取り組みを積極的に行っている同社。今後何が必要となるのかを予測し、世の中に必要とされるものを0から生み出す力を有しているのだ。

展望

SDGsの考え方を広めていく

「SDGsの考え方を中小企業を中心に広め、これから迫ってくる新しい未来に備えること」これこそがタガヤ、そして神田代表が思い描く今後の展望だ。その鍵となるのが、神田代表が代表理事を務めている一般社団法人日本ノハム協会。現在、日本ノハム協会では日本の中小企業を中心にSDGsの観点を活用した経営の仕方を指導しており、SDGsウォッシュ(実態以上にSDGsに取り組んでいるように見せかけること)を見つめ直すことで未来に向けて持続可能な会社をつくることをサポートしている。だが、SDGsの必要性は世間に認知されきっていない。近い将来に必ず来るであろう持続可能な会社づくりが必要とされる世の中に向けて、神田代表は様々な中小企業にこの考えを浸透させるべく走り続けているのだ。「SDGsの考え方を中小企業を中心に広め、これから迫ってくる新しい未来に備える」この目標に向かって、更にSDGsの重要性を世に広めていきたいと語った。

新しい商品にかける神田社長の想い

神田社長は想いをどのように発信しているのですか?

主にYouTubeを用いて発信しています。昔は、私自身の足で事業部を渡り歩き、様々な人とコミュニケーションを取って私の想いを伝えていましたが、日本ノハム協会の立ち上げや新工場の立ち上げが重なり社員とコミュニケーションを取るのが困難になってきました。なので、2020年の1月1日からYouTubeを開設してタガヤの経営理念について解説したり、就活生に向けてメッセージを話したり、SDGsについて語ったりしていましたね。他の発信方法として2012年から経営理念が載っている手帳をつくっていまして、それを用いて誰もがいつでも見れるような機会をつくりました。現場にいなくてもYouTubeなど様々な方法を用いて、私の想い、会社の考えを発信しています。

どんな想いで商品開発を行っていますか?

「社会問題の解決に繋がるものをつくる」これが一番大事なことです。どんなに優れたものを開発しても何十年後にはゴミになってしまいます。そうなるのなら、プラスチックなどの環境に悪い製品を用いて商品開発をするのでなく、環境にやさしい製品だったり社会問題の解決に繋がる製品をつくり出すことが重要です。具体的にお菓子事業では子供たちの野菜嫌いを克服するというコンセプトで新しい商品をつくっており、最終的には普段の食事から食べ残しの削減であったり、無駄な資源を使わないことにも繋がると思っています。新しいものをつくり出すときの観点は世の中が便利になるものではなく、世の中の課題を解決できるものかが非常に大事な考え方です。

タガヤが行っているSDGsの取り組みを教えて下さい!

社員の働き方改革を行っています。主に残業や休日出勤など業務時間外での仕事をする時間を減らしています。これから世の中にSDGsを広めていく企業として積極的にSDGsの観点を持って業務を行う必要があると思います。他にも今度、新しく増設する工場では二酸化炭素の削減を目的として工場の屋上に自社農園をつくる予定です。このようなSDGsの観点を取り入れた新しい取り組みは今後も行っていきます。持続可能な世界の実現のため、我々ができることは何かと考え続けること。そして、世の中にSDGsを広めていく1つの企業として率先して、社内環境、社員の働き方を変えていくことが非常に大事なことだと思い、実践しています。

  • 神田代表が代表理事を 務める日本ノハム協会

  • 神田代表の想いを伝えるYouTubeチャンネル

  • "Noeud.TOKYO"(ヌ―.トウキョウ)SDGsを体現した創作フレンチレストラン

"人肌のマネジメント" 社員に寄り添う方法とは

株式会社タガヤ CFO CHRO 下園元博

「人肌のマネジメント」、下園氏が大事にしている考え方に触れる機会となった取材。これからの時代、強いリーダーシップで人を引っ張るのではなく、困っている人がいたら常に横を歩き、気付いたら手を握っているような伴走型のマネジメントが必要になってくると同氏は話す。困っている人が弱みを見せることなく、自分の意志で解決できるようなマネジメントを心掛けているのだ。今回の取材で熱い想いを語っていただいた同氏。そんな同氏はどうしてタガヤに入社したのか、今後思い描いている夢は何なのか、具体的にどんなことを取り組んでいくのかについて詳しくお話を伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い

入社理由

「やりたいことは何でもやらせてもらえる」

25歳の時、前職のホテルマンからタガヤに中途入社した下園氏。入社理由は、同社のある魅力に惹かれたからだ。その魅力とは、「やりたいことは何でもやらせてもらえる」こと。ホテルマン時代、5年後行っている仕事が今と変わらないことに気付き、更なる成長を求め、ブライダル業界に足を踏み入れた。同社での第一歩は、大阪セントバース教会という結婚式場。プランナーの業務を通じて、いちプレイヤーだけでなく、理想の組織をつくるために人材育成やマネジメントを行える立場になることが目標になった。目指すところは30歳で支配人。前職の経験を活かし、成長を続ける中、目標の30歳より早いスピード、29歳で支配人の役職を担うことになった。「やりたいことは何でもやらせてもらえる」同社のこの魅力に惹かれ、入社を決意し、あらゆることに挑戦してきた。今後も更に会社のため、自身の成長のために挑戦を続ける同氏の姿が目に浮かぶ。

やりがい

「人肌のマネジメント」の実現

元々マネジメントをやりたいと考えて、「何でもできる」という魅力を持つ同社に入社した同氏。同社に入社して支配人の役職に就き、感じたことは、みんなが楽しそうに過ごす環境を、持続できる環境をつくることの重要性だった。時代やスタッフなどその場にいる人に合わせて、仕組みを変化させていくことが大事であると考える中で、同氏はその1つの答えとして「人肌のマネジメント」が挙げた。「人肌のマネジメント」とは、何なのか。それは、強いリーダーシップで社員を導くのではなく、ただ横を伴走すること。パワフルなだけでは、人はついてこない。「困っている人がいた時に気付いたら横にいる。そうすることで困っている人は弱みを見せる必要がなくなるんですよ。困った人が求めるのは人肌のマネジメントだと思います」と話す同氏。誰よりも相手のことを考える同氏だからこそのやりがいだ。

動物園のような会社を

「LOVE ONE ANOTHERの考えのもとに様々な強みを持った人材が集まること、動物園のような会社にしたいですね」今後の展望について下園氏はそう語った。今までとは異なった新たな取り組みを行うためには、ライオンだけがいる会社ではなく、様々な動物が暮らしている動物園のような会社、様々な人が集まる会社を目指している。更に同社では、"ZOO"という社内報までつくっているから驚きだ。「LOVE ONE ANOTHERの考えのもとに新たな取り組みを行っていく。人を喜ばせるものであれば、どんな事業でも良い。最終的にはタガヤさんって何屋さんなんですかと言われるぐらいになりたいですね」と話す同氏。その目標を達成するために必要となることが人の多様性である。様々な強みを持った人が集まることで、新しい取り組みを行うことができる。ただ、1つの共通点として「LOVE ONE ANOTHER」の考えに共感できることが大事なのだ。タガヤという”動物園”に更にユニークで面白い人が集まるということが、同氏が思い描く今後の夢だ。

  • 下園様が最初に 応募した場所である 大阪の中心地にある 大阪セントバース協会

  • 貸衣装からお菓子まで 多岐にわたる事業展開

  • タガヤが大事にする想い "LOVE ONE ANOTHER"

タガヤの今後の成長を担う社員の特徴

タガヤの好きなところを教えてください!

お節介な人が多いですよね。私自身も新卒の採用をするときには、お節介な人を採用するようにしていますし、そんな人たちをどんどん集めていきたいです(笑)。社長の影響が強いと思います。社長がお節介な人で、そこまでしなくていいって思えるようなことを自然とするような人です。なので、自然とお節介な人が集まっているんじゃないのかなと思います。私自身も良い意味で「他力本願」という考えを大事にしています。他力依存ではダメだと思いますけど。自分が100%の力を発揮して、もっと素晴らしい人がいたら今までできなかったことができるようになるじゃないですか。その方が楽しいと思うんですよね。色々な強みを持っている人がいるけど、お節介という点では共通している。1つの企業文化みたいな感じですね。

部下の成長を感じた瞬間を教えてください!

自分自身の考えを持って、決断できた時ですかね。自分自身でお客様のために何ができるのか、そのためには何が必要なのかを考えて、行動に移せたらもう大丈夫だと思いますね。入社当時は、右も左も分からないと思うので、先輩から言われたことをそのまま行動に移していたと思うのですが、その状況を変えて「自分はこうしたいんです!こうした方が良いと思います!」と言ってくれた時には、もう大丈夫だなと、手を放しても問題ないなと思います。ただ、言われていたことを実行していた立場から一歩成長して、自分から主体的にお客様のことを想って行動できた時が一番成長を感じますね。

今後、取り組んでいきたいことは何ですか?

さらに利益が出る仕組みづくりを行っていきたいです。私たちは社会や個人の幸せもまた、利益だと考えております。他社様においてもSDGsの取り組みを通じてサスティナブルな企業様に、その企業様に関わる社員様が幸せになっていく支援をしていきたいと考えております。弊社としても今後もどんどん様々なことに挑戦していきたいので、安定した基盤づくりを行うことが必要不可欠となってきます。そのためには、社員全員の意見を生かしていけるような環境をつくることが必要です。具体的に行っていきたいことは、他事業部との連携ですね。社内の垣根を今以上に取っ払って人材を入れ替えながら、社員全員に様々な業務を経験してもらうことが重要です。現代は時代の流れが速く、これから必要となってくるものが分からない状態なので、色々な年代の人の意見を取り入れられる仕組みをつくっていきます。この仕組みをつくることができたら、様々なことに挑戦できる基盤の1つにもなると思いますし、更に利益が出る会社になると思います。

担当者からのコメント

  • 監修企業 担当者

    取材にご協力いただき誠にありがとうございました。
    取材を通して、全国の中小企業の発展を考えて、行動されていることに感銘を受けました。持続可能な社会の実現のために更にSDGsを浸透させていくタガヤ様の取り組みには、目が離せません!

掲載企業からのコメント

  • 株式会社タガヤ からのコメント

    本日は弊社を取り上げていただきありがとうございました。 弊社が大事にしているSDGsの考え方、そして未来に向けた取り組みが少しでも多くの人に伝われば幸いです。タガヤでは今後も更に持続可能な社会の実現のためにチャレンジを続けていきます。

企業情報

  • 創業年(設立年)

    1974年

  • 事業内容

    結婚式場業、貸衣装業
    プロデュース事業、ウェブ事業
    映像写真事業、海外ウェディング事業
    ファクトリー事業、飲食・物販事業

  • 所在地

    京都市中京区西ノ京上合町57

  • 資本金

    3,000万円

  • 従業員数

    300名

  • 会社URL

    https://tagaya-group.com/

沿革

  • 1974年~1996年

    1974年
    法人設立 株式会社タガヤ(創業者 髙谷 光正)

    1983年
    タガヤ友の会発足(大蔵省認可)

    1988年
    ラヴィ結婚式場センター発足

    1996年
    本社ビルオープン

  • 2002年~2020年

    2002年
    京都セントアンドリュース教会開館

    2006年
    大阪セントバース教会開館
    TAGAYA大阪店オープン

    2007年
    TAGAYA京都店オープン

    2011年
    TAGAYA神戸店オープン

    2012年
    神田尚子 代表取締役就任
    神戸セントモルガン教会開館

    2013年
    Photo atelier HUG スタジオオープン

    2014年
    Patico グランページ 旅行サロンオープン

    2015年
    WEBマーケティング 東京オフィスオープン
    OVERSEAS WEDDING事業(海外事業)開始

    2016年
    京都タガヤ 神社婚サイトオープン
    神社婚プロディース開始

    2017年
    グランページ(海外ウェディング/ハネムーン)サイトオープン
    ハワイ挙式プロディース開始

    2018年
    二条城ウェディング 京都市運営委託 開始

    2019年
    TAGAYA銀座サロンオープン

    2020年
    一般社団法人 日本ノハム協会設立
    Patico LABO(西宮)オープン
    Noeud.TOKYO(レストラン/永田町)オープン
    Acor(フラワーショップ/京都)オープン
    WEBマーケティング 東京オフィス拡張移転

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