日本が誇る伝統と挑戦の革新企業

取材趣旨:企業インタビュー

緑豊かな景色が広がる栃木県足利市藤本町。そんな藤本町内で一際大きな存在感を放ち、南国の風景を連想させる工場がある。規模やデザイン性から圧倒的な存在感を放っているこの工場こそ、株式会社進恵技研である。自動車部品の金型を設計から生産まで一貫して行っており、今年で創業35年を迎える。同社の中でカリスマ的存在として、創業から今日まで先頭に立ち、走り続けてきた佐藤倫幸社長。兄貴分という言葉がピッタリな佐藤社長は、今日に至るまでどのような道を歩んできたのであろうか。また、佐藤社長が大切にしてきた「飾らない柔軟な姿勢」、「会社と社員の幸せ作り」、「積極的に設備投資」その真意とは。今回は、佐藤社長の現在の想いと同社が見据える未来への展望について話を伺った。

  • 株式会社進恵技研

    代表取締役佐藤倫幸

    「最新の技術と設備で高度なニーズにお応えします。」
    私たちの歩みは、常に進化を続ける自動車産業とともに歩んできた歴史です。業界に先駆けた高張力鋼板向けの金型製作も、最先端の設備を導入することで実現してきました。そうした設備の拡充とノウハウの蓄積が私たちの金型づくりを支えています。今後も、現状に安住することなく最先端の工場設備が新しい可能性を拓くと信じ、お客様の信頼に応える金型製作に取り組んでまいります。

目次

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

社風

「生きがいと幸せ作りの経営」による働き方

佐藤社長が何よりも大切にしていることが、経営理念として掲げている「生きがいと幸せ作り」である。理由としては、人に喜んでもらえることが何よりも一番楽しいと感じるからだという。社員がやりがいを持って働き、幸せを感じる状態にするために様々なことに取り組んでいる。例えば、日々頑張って働いている社員に対しての給料に改善の余地があれば、常に検討している。その他にも、経験の浅い社員でも活躍しやすい環境を作ることを目的に、積極的に設備投資を行っている。この最新設備は、新卒採用を中心に行っている同社において、職人としての経験がない社員にやりがいを持たせ、さらに早い段階から活躍できる土台として一役買っているに違いない。きっと、整った環境で働く社員は生きがいとやりがいに溢れているのであろう。これこそが佐藤社長が掲げる「生きがいと幸せ作りの経営」である。

独自性

変化を恐れない対応力

同社は創業からこれまで、常に変化し続けてきた。その根幹は、佐藤社長の時代に追従していく考え方にあり、さらに先見性が備わっていた。それを象徴するエピソードがある。約20年前、同社はこれからどのように拡大し、歴史ある金型屋と同じ土俵に立つかを模索していた。そんな時に登場したのがハイテンション材(以下:ハイテン材)である。ハイテン材とは、強度があり、自動車の軽量化に必須とされていたが、その強度ゆえに加工が難しい材料であった。そのため、歴史と実績を誇る同業他社の中には、足踏みをする企業も多かったのではないかと推測できる。そんな中、業界内では後発であり、このままでは時代に取り残されてしまうと感じた佐藤社長は、ハイテン材を専門に扱う方向へ舵を切る。結果的に全国各地から仕事が入り、業績向上へと繋がった。このような体験を含め、佐藤社長は時代が変化を求めているのであれば、恐れず会社の進む方向を変え、対応していくのである。

展望

世の中に通用する「普通」の会社へ

佐藤社長が目指す今後の会社の姿は、「普通の会社」だという。ここまで時代に合わせ、会社を変化させてきた佐藤社長が言う「普通」とはどのようなことなのか。それは、中小企業の「普通」ではなく、世の中の「普通」だ。世間がイメージする「普通の会社」とは、給料がそれなりに良く、福利厚生が整備されている状態ではないだろうか。このようなイメージに対して中小企業は人材不足などを理由に、どうしても対応することが難しくなっているというケースも少なくない。そんな中で、佐藤社長は世間がイメージする「普通の会社」を目指しているのだ。時代のニーズに応えて働く環境を整え、中小企業という枠に捉われることもなく、社員に「生きがいと幸せ」を感じてほしいのである。常に時代の変化に目を光らせ、会社の在り方を変化させ続けてきた佐藤社長であれば、近い将来きっと実現するに違いない。

見据える未来のために、社員へ抱く想い

設備投資への想いを教えてください

金型というのは、やはり装置産業、設備の力が重要だと思います。手の技術のみではいつか限界が来てしまうのではないかと創業した頃から感じていました。歴史が浅い我々が何十年ものキャリアを誇る職人に追いつくためには、設備の力に頼る決断をしなければなりませんでした。もちろん、私なりに技術を学んで努力をしてきましたが、差を埋めるためには必要な方法でした。社員の力と設備の力をもとに時代のニーズに応え、業績を上げ、会社と社員が「幸せ」になることを目標としています。そのためにさらに画期的な方法はないか、今でも模索していますし、良い方法や設備に出会うことができればすぐに行動していくつもりです。

今後、社員の皆様に期待することを教えてください

社員のみんなが良い環境の中で良いものを作ることに期待していますし、この想いに応えて取り組んでくれると信じています。そのため、社員には会社に期待していてほしいです。会社を信用してついてきてほしいです。これに尽きると思います。社員のみんなは、業務に関して色々と学ばなければならないことがあると思いますが、どんな状況でも会社が守っていくから安心して働いてほしいです。育休などといった待遇に関しても改善点があれば試行錯誤をしながら、どんどん動いていくつもりでいるので、心配しないでもらいたいです。多様化の時代であるように、人それぞれ考え方は違うと思いますが、会社と社員、互いに信頼し合う関係でありたいですね。

社員が幸福感を得るために 取り組んでいる工夫について教えてください

製造業に限らず仕事の中には、どうしても大変な内容やトラブルが発生することがあります。朝出勤してくることにしてもそうですが、本音を言えば嫌だと考えている社員もいるかもしれません。そんな苦しみを少しでも緩和させたいという想いから、色々なことに取り組んできました。例えば、食堂のランチメニューを増やしたり、大きなことで言うと会社の入口のデザインですかね。製造業は、工場にこもりっぱなしなイメージを持たれていますし、実際そうだと思います。だからこそ、少しでも「幸せ」を感じられるようにテーマパークのようにしたかったので、デザインにもこだわりました。労働環境や給料面など、様々な視点から少しでも社員が幸福感を得られるようにしてあげたいと常に考えています。

  • 変化・進化を続けてきた 広大な工場

  • 5Sが徹底された工場内

  • 時代とともに変化してきた ボディパーツ

担当者からのコメント

  • 監修企業 担当者

    今回の取材を通して、佐藤社長の「概念に捉われない柔軟な姿勢」は見習わなければならないと感じました。
    常に先を見据えている佐藤社長が今後、進恵技研をどのように変化させていくのか、どのような挑戦をしていくのか、大変楽しみにしております。
    今回は取材をお受けいただき、ありがとうございました。

掲載企業からのコメント

  • 株式会社進恵技研 からのコメント

    今回の取材を通して、創業時からこれまで歩んできた道のりの中で得たこと、今後目指していく方向を再認識することができました。 これから「普通の会社」を目標に、恐れずチャレンジを続けていきたいと思います。今後の変化していく様子を楽しみにしていてください。

企業情報

  • 創業年(設立年)

    1987年

  • 事業内容

    各種プレス金型設計・製作

  • 所在地

    栃木県足利市藤本町262

  • 資本金

    5,000万円

  • 従業員数

    111名

  • 会社URL

    https://www.shineigiken.co.jp/

沿革

  • 1983年~1992年

    1983年
    足利市真砂町にて資本金620万円で金型修理を目的として設立

    1987年
    株式会社進恵技研を創業

    1988年
    新規型製作のため、設備を導入

    1989年
    真砂町より藤本町へ本社を移転

    1992年
    第1工場を増設、第1事務所を新設

  • 2001年~2022年

    2001年
    第2工場を増設

    2004年
    機械第3工場を新設

    2005年
    第2工場を増設

    2006年
    第4工場を新設

    2011年
    群馬工場を新設

    2015年
    第5工場を新設
    第2事務所を新設

    2017年
    第6工場を新設

    2022年
    第7工場を新設

取材趣旨:企業インタビュー

この企業のその他の記事

    記事が投稿されていません。

その他の記事

  • お客様の感動を生み続ける 3代目経営者の組織づくり

  • 業界の常識に囚われない独自の手法

伝統と挑戦の革新企業の公式サイトへ掲載してみませんか?

日本が誇る伝統と挑戦の革新企業は「設立年数 30年以上継続して事業を行っている企業様」「革新性 現状に満足せず、常に高い品質を追求している企業様」からの掲載を募集しています。

詳しく見る

スタッフブログもっと見る