日本が誇る伝統と挑戦の革新企業

取材趣旨:企業インタビュー

今回、取材でお伺いしたのは東京都田町にあるテクダイヤ株式会社である。同社は社名にも入っているダイヤモンド(工業用)の卸売から始まり、ダイヤモンドを用いての工具の製造・販売を行っていた。現在は、ダイヤモンド応用技術、セラミック応用技術、精密機械加工技術、半導体組立技術、ハイブリッド・セラミック・テクノロジーの5つ事業領域を持っている。同社の技術力は非常に高く、多くの国で製品が使用されている。海外にも多くの事業所が存在しており、グローバルなフィールドで活躍している。様々な業界に向けて製品を製造している同社の、独自性や展望などについて、代表の小山様にインタビューを行った。

  • テクダイヤ株式会社

    代表取締役小山 真吾

    わたしが大切にすること。
    それは製品を生み続ける「技術」と、世界とを結ぶ「人」です。
    創業以来、「技術」という秘伝のタレをつぎ足しながら、時代に必要とされる製品を送り出してきました。
    そこにはお客様やマーケットからの期待があり、アドバイスや厳しいご指導を受けながらも形にする社員というかけがえのない「人」がいます。
    わたしは、お客様はもちろん、テクダイヤの技術と社員を大切にし、
    これからも常に世界から必要とされる企業であり続けたいと考えています。

目次

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

社風

社員同士支えあうアットホームな会社

同社の社風について、小山社長は「全員が仲間であり、支えあう家族のような会社」と語る。国内のみならず海外にも事業所がある同社は、様々な国籍の方が働いている。多様な価値観、考え方の人と仕事を行う機会が多い環境では「チームテクダイヤ」としてチームワークを重んじている。社内イベントも盛んに開催されるらしく、新年会や忘年会、クリスマスパーティーなどはもちろんのこと、社員の誕生日なども行われることもありアットホームな社風が伺える。海外出張の際、事業所が近くにある場合は現地の社員と食事に行くなど、交流は欠かしていない。また、「社長室でゲリラ的に飲み会を開催している」と小山社長。自ら、家族のような会社を率先して作り上げている。社内のコミュニケーションを活発にすることで、社員同士の絆を深めており、業務の円滑化にも役立っている。これからもチームワークを重んじながら、一致団結して会社を成長させていく。

独自性

孫の手のような製品づくり

独自性としては、「お客様の手が届かないところに手が届く、孫の手のような製品づくり」と小山社長。同社は、お客様から問い合わせた製品に対しても、ただ単に製品を製造するのではなく、お客様が本当に必要としているものはどのようなものであるのか、考えながら製造している。時には「こうすれば、もっと良くなりますよ」や「このようにしませんか?」など、こちらから提案するケースもある。このように、お客様の痒い所に手が届くような製品づくりをすることで、「ここまで付き合ってくれるのですね」など驚きの声と同時に感謝の言葉を頂いている。提案力の高さはもちろんのこと、技術力の高さも同社の強みだ。実は、NASAが宇宙開発で使用する高感度赤外線カメラの中にも製品が使われており、地球の枠を越えて愛されている。また、先端医療である人工臓器生成や私たちの身近にあるスマートフォンにも製品が使われており、縁の下の力持ちのような役割を果たしている。今後もこの独自性を生かして、お客様に合う製品を作っていく。

展望

世界中で必要とされる製品を目指して

小山社長はこれからの展望について「更に世界を舞台に事業を展開していきたい」と語る。現在は、欧州圏、北米、アジア圏などで事業所を展開しているが、今後更に、色々な地域で同社の製品を使用してもらうためにも、海外事業所を増やしていくことを考えている。現地採用も行い異なる文化との交流を通じて、より様々なニーズに対応できる製品を作ろうとしている。小山社長は仕事を通じて「普段体験できないことを味わってほしい」と語る。現地社員の交流からその国の歴史に触れることや、世界のニュースを我がことのように感じられる経験をしてほしい思いが込められている。また、「将来的には今と同じ事業をしているかわからない」と小山社長。社会から必要とされることが前提であるが、事業での制限はかけず、これからも既存製品に捉われない製品を作っていく。今後も社会に必要とされる製品を作り、発展するに違いない。

社員の成長を応援する組織づくり

人材育成に関する取り組みを教えてください。

家族のような会社を目指しているので、社員の教育は大切にしています。社員の為の研修制度として、自分が学びたい外部研修を選択して受講できる制度を設けています。新入社員に対する研修制度は毎年変えていまして、過去には山手線一周をみんなで歩くことも行いました。ただ、親睦を深めるわけではなく、計画と実行を実践することで得られる気づき・学びを得てほしいことと、弊社が大切にしているチームワーキングを体感してほしいことが狙いです。また、入社3年目までの社員を対象に社長面談を毎月行っています。面談をすることで仕事の悩みからプライベートの悩みまで、自ら聞いてコミュニケーションを取っています。これらの取り組みを行うことで、人としても成長してほしいと考えています。

小山社長自身の夢を教えてください

人の人生を良くするプラットフォームのような存在でありたいと思っています。「この会社に入社して良かった」や「この仕事は面白い」など社員の幸せを創りたいですね。社員には、会社で色々な経験をしてもらい、どんどん成長してもらいたいです。良い意味で私を踏み台にしてもらって、あらゆる壁を乗り越えてほしいですね。最終的には、実りある充実した人生を送ってもらいたいです。おそらく人生の時間の大半は仕事だと思います。その仕事が充実すれば、人生も良くなりますよね。私だけではなく、みんなで力を合わせて、会社を楽しく笑える場所であるようにしていきたいと思っています。

どのような人が御社で活躍できますか

多くのことに興味を持ち、探求心があるタイプが活躍できるタイプなのかもしれません。弊社は、頂いた案件をそのまま行っていくだけではなく、「こうしたいのですがどうでしょうか」など、こちらからお客様のニーズを汲み取り提案も行います。お客様の目線に立って製品を作ることが多いので、お客様が何を必要としているのか興味を持ち、考える探求心は大切な要素です。技術に対しても、現状のレベルで満足せずに追い求められる人であってほしいですね。また、何事も全力で楽しめる人。仕事に一生懸命なれることも重要ですが、遊びに関しても全力で取り組めることも大切です。仕事も遊びも楽しんで、一緒に人生をエンジョイしていきましょう。

  • ものづくりはコミュニケーションが大切

  • 社内イベントはいつも大盛況!

  • ユニークな行動指針

技術者としての 誇りをもって働く

テクダイヤ株式会社 技術部 戸部 綾菜

新卒4年目である戸部綾菜さん。現在は開発拠点である本社技術部に所属している。主な業務内容は製品開発と製造のサポートである。より良い製品を作る為に技術的にどのようにアプローチしていくかを常日頃考えている。戸部さんが所属するのは、同社が運営している事業の中で一番新しいハイブリッド・セラミック・テクノロジー(HCT)事業部だ。HCTは、テクダイヤの技術の結晶といっても過言ではない。同社の全ての技術が集約されており、世界的なIT企業や宇宙開発分野でもHCTが用いられている。今回は、このHCT事業部で活躍している戸部さんに、自身の夢や仕事を行う上で大切にしていること、そして会社の未来についてを伺った。

伝統の承継と挑戦の未来を担う社員の思い

入社理由

一緒に働きたい人達に惹かれて

同社の入社理由を「オープンで接しやすい環境だった」と当時を振り返る。戸部さんは理系出身であり、学生時代は学習塾でアルバイトをしていた。将来設計は漠然としており、はっきりと決まっていなかった。ただ、大学で学んだことを活かせたらいいなという思いは持っていた。就職活動が始まり、たまたま説明会に参加したのが同社であった。戸部さんが最初に感じたのが、雰囲気の良さだった。説明会では、人事の方と小山社長の話が印象的であった。どちらの話も、自分達を良く見せようとするのではなく、飾らず等身大で自社を説明していた。隠すことなく、ありのままの会社を紹介した同社に魅力を感じた戸部さんは「この人達と働きたい」と思い、入社を決意した。入社する前は、体育会系で何事もガツガツ行う会社だと思い、不安を抱いていたが、いざ入社してみると、全くそのようなことはなかった。オープンで誰とでも接しやすい環境で今日も戸部さんは働いてい

やりがい

思い通りの製品が出来上がる喜び

仕事に対するやりがいを製品について「自分でこうしたらいいのではないかと考え、その通りにできた時」と戸部さんは語る。戸部さんの業務は製品の開発や製造のサポートということもあり、実際にお客様先に行って感謝されることや、対お客様とのやり取りでのやりがいは感じづらい。また、開発を行っている製品は、様々な人に使われているが、基板など、通常だと消費者の目には入りづらい場所に使用されているので、広くは認知されていない。その代わり、同社のように「こうしましょう」と提案できる環境があるので、自ら考えたものが思い通りの形になった時が、やりがいを感じる瞬間となっている。ものづくりを行うにあたり、作り手の思った通りのものが製品として出来上がることは技術者冥利に尽きる。戸部さんはこのやりがいを胸に、これからも新たな製品を開発するであろう。

困った時に最初に聞いてもらえる存在に

戸部さんは自信の夢を「技術者としてのスキルを上げること」と語る。先進的な製品を世界中に供給している同社であるが、製品の製造・開発は技術者なしでは語れない。もちろん宇宙開発や先端医療などの最先端技術では高いスキルが要求される。戸部さんは、技術者として頼ってもらえる存在でありたいと考えている。この人はこんな技術を持っていると周りの方に言われることはもちろんのこと、自分自身も技術に対して、自信が持てるようになりたいと言う。現状では「何でも聞いてくれとはまだ言えない」と戸部さん。本当に頼れる人間になるためにも、勉強は欠かせない。色々な人から教えてもらい吸収しながらも、自分で解釈をしておくことを行い、いざ教える立場になった際もスムーズに伝えることができる準備が必要である。最終的には「技術で困った時は戸部に聞け」と言われるくらい技術者としてのスキルを上げていきたいと考えている。技術に対して、探求心がある戸部さんなら、必ず達成できるであろう。

  • 同社の製品はNASAの宇宙開発で使われている

  • 本社オフィスは開放的な空間がある

  • フィリピンのセブ島にある自社工場

技術力を高めて、会社の価値を高める

小山社長はどのような方ですか

フザケているようで、実は筋が通っている方です。終業後、突然開催される社長室での飲み会や忘年会などでのはしゃぎぶり、内緒ですけど、とある会議に全身金色の服で参加したこともあります。奇抜に思える行動ばかり紹介してしまいましたが、社長業をするだけでなく現場のこと、しかも技術に関わることまで理解し、社員一人ひとりの状況を把握、タイミングよく声をかけてくれます。だから、私には良い意味で、人のためになる奇抜な行動をとれる人であり魅力的な人に思えるのです。実際に、新卒の社員に対しても毎月面談を開催していますし、面談では、仕事のやり方やアドバイスを教えてもらえるので、仕事の不安などが解消されています。本当に社員思いの社長だと思いますね。

仕事をする上で大切にしていることは何ですか

一番は、周りの人とのチームワークを大切にしています。どんなに知識があっても、どんなに技術があっても仕事は一人ではできないと思います。どうしても仕事をしていると「自分一人で」となってしまうので、殻に閉じこもることがないようにしっかりと周りの人とコミュニケーションを取っていきたいですね。この会社のチームワークは垣根がないことが挙げられると思います。上下の垣根も部署間の横の垣根もないです。これらの垣根がないチームワークを大事にしています。決められたチームでチームワークを発揮するだけではなく、それを一歩越えてそれ以上に色々な人とコミュニケーションを取ってチームワークを発揮することで、また新しい何かがつくり出せると思います。ですから、チームワークを大切にしながら、仕事をしています。

会社が発展するために必要なことは何ですか

技術力の底上げが必要だと思います。やはり、技術力を売っていく会社であるので、新たな製品を作り続けるためにも技術力の向上は不可欠です。今以上に技術に関する議論が色々なところで活発にやり取りされている会社にしたいなと思っています。未経験の新卒社員も多いので、もっとレベルアップして、技術力の会社として発展していきたいです。そのためには、それぞれがまず自分の力で勉強することが必要であり、継続して行うことが大事です。また、社員同士で定期的に勉強会を行い、知識を共有することで、技術者一人ひとりのレベルを上げて、より技術力の高い会社を目指していきたいと思います。

担当者からのコメント

  • 監修企業 担当者

    この度は、取材させていただきありがとうございました。テクダイヤ様のお客様の要望に応える姿勢、多くの企業から信頼されている技術力と提案力、世界各地で製品が使われている理由がわかりました。これからも「産業界の常識を覆す」革新的な製品が、貴社で誕生することから目が離せません!

掲載企業からのコメント

  • テクダイヤ株式会社 からのコメント

    人生の大半を過ごす会社で、社員の人生が実りあるものとなるよう、そして、テクダイヤがこれからも社会に必要とされる存在であるため、私たちは進化し続けます。少しでも興味を持っていただいた方はお気軽にご連絡ください!この度は取材いただきありがとうございました。

企業情報

  • 創業年(設立年)

    1976年

  • 事業内容

    セラミック応用技術、精密機械加工技術、ダイヤモンド応用技術、半導体組立技術、HCT事業等の製造・開発・販売

  • 所在地

    東京都港区芝浦4-3-4 田町きよたビル2階

  • 資本金

    6,000万円

  • 従業員数

    95名

  • 会社URL

    https://www.tecdia.com/

沿革

  • 1976年~1988年

    1976年
    資本金100万円にて前会社「テクトロニクス株式会社」を設立。
    有限会社小山ダイヤモンドの全事業を引き継ぎ、音響部品の製造・輸出業を開始。
    東京都練馬区にダイヤモンド加工研究所を設立。

    1977年
    ダイヤモンドの他金属へのボンディング技術の開発に成功。

    1978年
    高周波電子部品の開発に着手。

    1979年
    高周波電子部品の製造販売を開始。
    音響製品の製造組立ラインを確立し、埼玉県所沢市に所沢分室を設置・操業開始。
    ダイヤモンドメス・ダイヤモンドナイフの開発に成功。
    精密機械加工工場として東京都練馬区に桜台工場を新設。
    事業拡張に伴い、「テクダイヤ株式会社」に社名変更。

    1983年
    本社を東京都豊島区サンシャイン60ビルに移転し、本店移転登記。

    1985年
    アメリカ・カリフォルニア州シリコンバレーに、高周波部品の販売を目的とした新会社「TECDIA INC.」を設立。
    日本国内特許(1982年1月)に続き、音響製品の特許を米国で取得。

    1987年
    事業拡張に伴い、桜台工場および所沢分室を併合し、埼玉県狭山市に狭山工場を新設・稼働開始。

    1988年
    オーストラリア・メルボルン市に同名の新会社を設立し、音響製品の製造および販売を開始。

  • 1990年~2000年

    1990年
    業務拡張に伴い、京都府京都市西京区に新工場を建設し、稼働を開始。

    1993年
    フィリピン・セブ島の輸出加工区に新会社「CEBU MICROELECTRONICS INC. (CMI)」を設立し、高周波部品の製造を開始。

    1994年
    高周波部品の製造を目的として、マイクロ波技術部を創設。

    1995年
    光通信用電子部品の開発および製造を開始。

    1996年
    フィリピン・セブ島の輸出加工区に第2工場を増設し、マイクロ波素子部品の製造を開始。

    1999年
    光通信コネクターなどの新製品の販売を開始。

    2000年
    スクライビング市場への積極参入を目的として、ダイヤモンド加工技術部を設立。
    台湾・桃園に半導体部品の販売を目的とした新会社「捷科泰亞股份有限公司 (TECDIA TAIWAN)」を設立。

  • 2001年~2015年

    2001年
    フィリピン・セブ島の輸出加工区に第3工場を増設し稼働開始。
    韓国・水原に半導体部品の販売を目的とした新会社「TECDIA KOREA」を設立。
    業務拡張に伴い京都府京都市南区に京都工場を移転し、京都技術研究所を建設・稼働開始。

    2003年
    業務拡張に伴い埼玉県入間市の武蔵野工業団地内に狭山工場を移転し、「東京テクニカルセンター」として創業を開始。

    2004年
    香港・尖沙咀に中国市場への積極的関与を目的として「捷科泰亜香港有限公司 (TECDIA HONG KONG)」を設立。
    フィリピン「CEBU MICROELECTRONICS INC. (CMI)」で【ISO9001:2000】を取得。

    2005年
    事業拡張に伴い「捷科泰亞股份有限公司 (TECDIA TAIWAN)」を移転。
    フィリピン「CEBU MICROELECTRONICS INC. (CMI)」で【ISO14001:2004】を取得。

    2006年
    本社、京都技術研究所、東京テクニカルセンターで【ISO14001:2004】を取得。
    事業拡張に伴い「TECDIA INC.」を移転。
    東京テクニカルセンター内に新棟を増設し稼働開始。
    中国拠点を香港から上海に移し「日本捷科泰亚株式会社上海代表处 (TECDIA SHANGHAI OFFICE)」を設立。

    2007年
    業務拡張に伴いフィリピン・セブ島の輸出加工区に第4工場を増設し稼働開始。

    2008年
    東京テクニカルセンター内にさらに新棟を増設し稼働開始。

    2011年
    上海駐在員事務所を現地法人化し、「TECDIA SHANGHAI」として事業を拡張。

    2013年
    事業拡充に伴い日本国内3拠点を東京港区芝浦へ集約し、本社を移転。
    事業拡張に伴い「捷科泰亞股份有限公司 (TECDIA TAIWAN)」を移転。

    2014年
    事業拡張に伴い「TECDIA INC.」を移転。
    イギリス・ロンドンにヨーロッパ市場への積極的関与を目的として「TECDIA INC. ヨーロッパ窓口」を設置。

    2015年
    事業拡張に伴い「科钻(上海)贸易有限公司 (TECDIA SHANGHAI)」を移転。

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