日本が誇る伝統と挑戦の革新企業

取材趣旨:企業インタビュー

モンモリロナイトをご存知だろうか。その用途の豊富さからサウザンドユーズと呼ばれ、主には洗顔料、ボディーソープ、ヘアシャンプーに使用される粘土である。天然の素材であるにも関わらずモンモリロナイトという素材には汚れを落とす力や潤いを届ける力、肌を乾燥から守る力が備わっている。そのような不思議な素材の魅力を強く感じ、製品のすべてに使用し、モンモリロナイトの持つ更なる可能性を開拓しようとしているのが今回取材した粘土科学研究所だ。同社は約30年に渡る歴史をモンモリロナイトと歩み、これから先も歩み続けようとしている。本取材では同社の代表である手塚社長にモンモリロナイトの魅力とその魅力に同社が強く惹かれる背景に迫った。

  • 株式会社粘土科学研究所

    代表取締役手塚 平

    こんにちは、粘土科学研究所手塚平です。

    粘土科学研究所はモンモリロナイトを使ったスキンケア商品にこだわり続けて40年ほど経つ会社です。

    私はそこの3代目として生まれ、物心つく前から髪も顔も体も洗うのはすべて自社商品や試作品、保湿に関しても一緒でモンモリロナイトの商品に囲まれて育ってきました。
    そのため、シャンプーや洗顔などはほとんど買ったことはありません笑

    そんな生い立ちのためか、モンモリロナイトのちからで「ニキビが次の朝には痛くなくなった」、「カサカサのお肌がびっくりするほどしっとり」そんな体験をたっぷりとして育ってきました。

    世間でもモンモリロナイトを含むクレイはお肌にいいイメージが段々広がってきてはいます。でも、もっともっとモンモリロナイトのよさはあるのに!モンモリロナイトは面白いのに!といつも思っています。

    粘土科学研究所はスキンケア商品を通して皆さまに「モンモリロナイトって面白い」と実感してもらい、元気で楽しい生活づくりに貢献していきたいと思っています。

目次

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質

社風

粘土の持つ可能性を全社員が信じる

同社では全社員がモンモリロナイトという粘土の持つ可能性を信じている。同社は所属する社員の全員が開発・製造・販売・出荷に関わる事ができる。だからこそ全社員が粘土に触れる機会は多く、触れるたび、粘土の持つ可能性を感じるのだという。「例えば社員から新しいことをしようという提案があったとしても粘土を使わないという選択肢は今まで聞いた記憶がありません。当然、私もしたことがありません。それくらい、当社の社員が皆、粘土の持つ可能性を日々体感し、信じているのでしょう」そう語る手塚社長。サウザンドユーズと呼ばれるほどの多様性と元来備えている汚れを落とす力や潤いを肌に届ける力、肌を乾燥から守る力といったスキンケア製品の素材としての有用性、これらを同社の社員は理解しているからこそ、可能性を信じ続けているのだ。このような自社の製品の素材に一丸となって可能性を感じているからこそ、同社は扱うものを変えずに今日まで歴史を紡いできた。

独自性

製品づくりのスタートはいつも粘土から

「すべての製品にモンモリロナイトという粘土が入っているのは当社だけじゃないでしょうか」そう語る手塚社長。このように粘土という素材に徹底的にこだわるところこそが同社ならでは。粘土は天然のものでありながら汚れを落とす力、潤いを肌に届ける力、肌を乾燥から守る力があるからこそ、手塚社長はスキンケア製品の素材としてこの上ないものだと信じている。だからこそ同社は粘土にこだわり、製品を生み出し続けるのだ。粘土は天然のものなので人に優しく、また環境にも優しい。今、一つの製品に使われている化学薬品を粘土で代替することができたなら、多くの人や環境にとって大きな利点をもたらすだろう。「私はよく粘土を使って実験をするのですが、時代的に人にも環境にも優しい製品が求められていると考えているので、実験を続け天然の粘土を素材とした製品を一つでも多く生み出したいですね」そう語る手塚社長。粘土の持つ可能性を信じ続けてきたからこそ、同社は今日に至るまで進化を続けてきたのだ。

展望

より広く粘土のおもしろさを世の中へ

粘土の持つおもしろさをより広く世の中に認知させることこそ、同社が目指し続ける姿だ。手塚社長は日々、実験などを通じて粘土に触れるにつれ、粘土の持つおもしろさに引き込まれるという。「天然の素材ながらにこれだけの可能性を秘めているところに素材としてのおもしろさや良さを強く感じますね。だからこそ短期でも中期でも長期でも目標の中には粘土が存在しております」そう語る手塚社長は粘土と共にどう会社を成長させていくかを思い描く。また、実際にお客様の声や反響も多く受けている同社。実際に使用しているお客様の多くに満足していただけているからこそ、粘土の持つおもしろさや良さを広めたいという手塚社長の思いが増すのであろう。そして近年ではOEMによる製品の生産が同社の主な業務であったが、手塚社長の思いのもと、ついに自社ブランド『KURUMU』をリリース。より一層に粘土の魅力を広めていく足掛かりになるに違いない。

手塚社長の考え、過去、現在に迫る

手塚社長の大切にしている考え方を教えてください

粘土という素材のパイオニアになるということですね。粘土を使用した自社の特定の製品に注力するのではなく、あくまでも粘土という素材の良さを伝えていきたい、そう考えております。人にも環境にも間違いなく良いものだと本当に思ってますし、スキンケアの製品ですとか、基礎化粧品の一部に粘土を使用している製品も見かけますが、私ほど粘土の持つ力を信じているかと言ったらそうではないと思います。逆に言えば粘土なしのスキンケア製品ですとか基礎化粧品をどうやって作っていいのか分からないですし。何か新しいものを作ろうとしても、粘土を入れて、水を入れて、じゃあそこからどうしようかと考えてしまいます。ですので、粘土という素材の可能性を常に見せ続ける存在でありたいですね。

これほど粘土の可能性を信じていらっしゃる根源を教えてください

あせもができたら粘土のクリームを塗るですとか、ニキビが出来たら粘土を塗るとか、小学校の時の自由研究では粘土でクリームをつくったりと、とにかく粘土が側にあって育ってきました。粘土を使ってきた割合で言うとぼくより多い人はなかなかいないのではないでしょうか。そのような生い立ちの中で「粘土であせもやニキビが治るんだ」ですとか「粘土で顔を洗うとさっぱりする」といったように考えるというよりも深い部分に粘土の持つ良さやおもしろさが身に染みているからだと思います。この会社で働くようになり、実験というかたちで触れるようになってからも、粘土の持つ良さやおもしろさを発見したというよりは再確認したという感覚でしたね。

手塚社長が就任されてからの会社の変化を教えてください

粘土の良さやおもしろさを世に広めようとしているところですね。私の祖父が創業者なのですが、祖父はなんというか町の科学者というか、商売をすると言うよりはおもしろいものを見つけてきて何かできないかと試行錯誤する人でした。その後会社を母が継ぎ、母が書面などを整え会社として機能するようにしました。その後私がこの会社を継いだのですが、もともと私は音楽をしており、「見せる」ということに意識が向くタイプでした。粘土のもつ良さやおもしろさを知っていたからこそ、せっかくこれだけいいものなのであればもっと世に広めたいということで直営店舗を作ったり、自社のHPを改変したりとしました。

  • 同社製品の素材、モンモリロナイト

  • モンモリロナイトの可能性を発信

  • 研究を重ね素材の可能性を追究

これだけおもしろい素材は他にない

株式会社粘土科学研究所 営業部長 青柳 優太

今回取材させていただいたのは同社で営業部長を務める青柳さんだ。今や会社の屋台骨を支える存在と言っても過言ではないだろう。その青柳さんはもともとはまったく別の業界で働いていた。縁あって同社と出会い入社を決意。その際の決め手となったのが他でもない同社の製品の土台となっている素材、モンモリロナイトだった。何か分からないからこそ面白い、扱ってみたい、入社当時はそのような思いで同社に入った。そこから数年、同社の業務を行いながらモンモリロナイトという素材への理解を深めれば深めるほどに魅力を再確認していったという。本取材ではモンモリロナイトという素材の魅力から同社の仕事への思い、また入社のきっかけについてなど広くお伺いさせていただいた。

伝統の承継と挑戦の未来を担う社員の思い

入社理由

粘土の魅力が入社を後押し

粘土を素材としたスキンケア製品や基礎化粧品は世の中になかなかないものだからこそおもしろい、そう思い入社を決意した青柳さん。青柳さんはもともと手塚社長と知り合いで、声がかかった時には粘土を扱っていることこそ知っていたものの、まさかスキンケア製品や基礎化粧品として販売しているとは思わなかったという。「実はこの会社に入ろうとした時期はちょうど私自身、転職活動をしておりました。その際に何社か調べた末に一番興味を感じたのが弊社でした。分からないことだらけだったので単純に知りたいと思いましたね」そう語る青柳さんは実際に入社し、より一層に同社の扱う粘土に魅力を感じる。実際に青柳さんが対応したお客様で冬場の乾燥に悩まされていた方が同社の製品を使い改善していく様を見て、これだけの力が自然のものにあるのかと驚いたそうだ。今後も青柳さんは粘土の奥深い魅力を感じ続けるに違いない。

やりがい

製品づくりに一から携わっているからこそ得られる喜び

同社で開発から製造工場の管理、営業まで一貫して担っている青柳さん。一から自分が関わり、商品が完成し、その商品が売れた時の喜びは大きいという。「これだけ多岐に渡って業務に関わらせていただいているとやはり完成した商品を見た時の喜びは大きいです」そう顔をほころばせながら語る青柳さん。しかし、営業まで行う青柳さんはより一層に大きなやりがいを得られるという。「完成した商品をお客様にお買い上げいただいた時はもっと嬉しいですね。一から商品ができていく過程を見てきたからこそ、こちらも思いを込めてお客様に説明ができますし、その商品が売れた時は思いが伝わった気がしてとてもやりがいを感じます」青柳さんの顔はより輝きを増した。近年では自社ブランドを直営する店舗ができた同社。店頭に立つこともある青柳さんはやりがいをより多く感じている。自社の進化と共に仕事へのやりがいが増していく青柳さんは今日も意欲的に働く。

より多くの人に粘土の魅力を提供する

青柳さんは近年同社がリリースした自社ブランド『KURUMU』を世に広めていくことを目指す。日々の生活の中で自然とKURUMUを目にするくらいにしていきたいそうだ。「商品として自信がありますので。弊社に来る前の仕事では、自分の扱う商品に疑問をもったことも多少ありましたけど今はまったくないので」そう語る青柳さん。粘土という自社の商品に扱う素材への自信と製品づくりに一から関わっている自負から来る自身だろう。実際にKURUMUを扱う直営店舗でお客様から感謝の言葉をいただく機会は非常に多いそうだ。そのような外からは順風満帆に見える自社製品のリリースにも青柳さんは気を緩めない。「自社ブランド商品KURUMUはリリースしたばかりでこの先壁も多いかと思います。ですが商品への自信を絶やすことなく壁を一つずつ乗り越えていきたいですね」一片の疑念もなく扱える商品だからこそ、青柳さんは二人三脚で今後も力強くKURUMUと歩んでいく。

  • 心を込めて製品を梱包

  • 自社ブランド製品「KURUMU」

  • 販促活動も積極的に行う

自社と商品、そしてお客様への思い

お客さんに対しての心構えを教えてください

誠意をもって対応するということです。商品に自信があるからと言って傲慢になるでもなく、かといって当然へりくだるでもなく、誠意をもって対応することが大切だと考えております。弊社の商品は、決して安いものではないと思っていますので、細部までこだわって丁寧に扱います。そして、お買い上げいただいたものに対して気持ちを入れながら梱包まで行わないと、お客様に失礼にあたると考えております。どんなにものが良くても開けた時にがっかりされてしまったら元も子もないですからね。こうした、お客様への提供までを通じて誠意を伝えることを意識していますね。

近年の御社の変化を教えてください

自社ブランド商品をリリースしたことに私の中ではかなり大きな変化を感じております。これまで弊社はOEMのみ行ってまいりましたが、OEMは依頼をいただいて作るものなので、良いものを求められた数量生産します。しかし自社ブランド商品ですと、世の中でどういったものが売れているのか、お客様が何を求めているのかを考えることまで要求されます。考える幅が広がったことで工夫する領域が広がりやりがいはとても大きくなった半面、自分の出した意見によって現れた変化がそのまま売上の変化に現れる分責任も大きくなったと考えております。双方いい意味で捉え、商品と共に私自身も成長していきたいですね。

青柳さんの感じる粘土の魅力を教えてください

まずモンモリロナイトという粘土の活用自体に歴史があります。古くはなんとあのクレオパトラが化粧品として使っていたという伝承があるほどです。それだけ長きに渡り人々に愛用されてきたものなんだと思うと、やはり魅力的ですね。実際に私も弊社の商品を使っていますが、洗顔するとかなりのさっぱり感と、洗顔が終わった後の肌のつっぱりのなさにはいつも驚きます。素材として力があるから長年使われてきたんだと感じます。あとは、素材としての魅力はもちろん、手前味噌ではございますが弊社の製品は本当に良いものだと思っております。なのでゆくゆくは小売店様に取り扱っていただけるように地道にSNSなどを活用して、PR活動を続けております。もっともっと弊社の商品が世の中に溢れて欲しいですね。

担当者からのコメント

  • 監修企業 担当者

    取材させていただきありがとうございました。私自身、この機会を頂戴するまではモンモリロナイトという素材の存在すら知らなかったのですが、今回の機会を通じて非常に魅力あふれる素材だと知ったと共に、この素材を事業の軸として今日まで歴史を紡いだ粘土科学研究所様の企業としての魅力も感じさせていただきました。双方が伝わる取材記事となっていることを願うばかりです。

掲載企業からのコメント

  • 株式会社粘土科学研究所 からのコメント

    この度は取材をしていただきありがとうございました。当社の代表を務めてから特に"見せ方"にこだわり事業を行って参りました。今後も世の中の方にモンモリロナイトという素材の素晴らしさが分かりやすく、広く伝わるよう心掛け、事業を行って参ります。

企業情報

  • 創業年(設立年)

    1983年

  • 事業内容

    化粧品、スキンケア商品などの製造、販売

  • 所在地

    東京都江戸川区東葛西6-9-9

  • 資本金

    1,000万円

  • 従業員数

    4名

  • 会社URL

    https://nendokagaku.co.jp/

沿革

  • 1965年~1998年

    1965年
    初代社長の手塚煕(ひろし)がモンモリロナイトの応用研究を開始

    1979年
    前身となる「ゲラン開発研究所」を設立

    1983年
    株式会社「粘土科学研究所」に社名変更

    1986年
    モンモリロナイトを使用した初のスキンケア商品を開発

    1987年
    研究所を東葛西へ移転

    1990年
    富士に研究所を移転

    1991年
    沼津に新工場を設立

    1992年
    オリジナルブランド「アルセリア」を完成

    1995年
    第2のオリジナルブランド「ボディクレイ」を完成

    1996年
    手塚煕(ひろし)から手塚和代へ社長交代

    1998年
    東葛西5丁目に新工場を建設
    倉庫(通称B館)も建設

  • 2002年~2015年

    2002年
    研究所、工場、倉庫が完備された新社屋を建設

    2003年
    「ボディクレイ」が別会社として独立

    2008年
    現代表の手塚平(たいら)が粘土科学研究所に参画

    2013年
    オリジナルブランド「KURUMU」を完成

    2015年
    KURUMUファクトリーショップを完成

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